シンデレラガール
あたしだって、仕事を選んでいるわけじゃない。

来た仕事は、スケジュールが合えば受ける。

だけど、、、アイツとの仕事は、嫌なんだ。

どうしても、嫌、、、


あたしはグッと、下唇を噛み締める。


「ごめん、聖奈。あたしも断りたかったんだけど、もう社長が受けちゃったのよ」


そのヒロちゃんの言葉に、あたしは大きなため息を溢した。

その後の撮影は、最悪で、、、

今までNGの1つも出さなかったのに、くだらないNGの連続。

葵のスイッチも、完璧だった女優の青木聖奈のスイッチさえ、、、完全に、壊れてしまった。

自分でも驚くほど、ロクに演技が出来なかった。

いつだって、あたしの調子を壊すのは、、、あの男だ。

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