カットハウスやわた
「髪、乾かさないで寝たの?」


「……」


「綺麗な髪が、台無しだ」


正樹は、テーブルにサンドイッチをひろげた。コーヒーまで用意してくれている。人の気も知らないで……と思いつつ、サンドイッチに目をやると、私の好みをわかってくれているから、複雑な心境になる。


「真矢も座ったら?」


ムスッとした顔で、それに応じる。サンドイッチの誘惑には勝てない。


「いただきます。あ、真矢も食べて。オレ、これ食ったら、仕事だから」


「じゃあ、何のために来たの?」


つい、口を開いてしまった。


「真矢に会いたくて」


「ウソ!」


「ウソじゃない」


「じゃあ、どうして浮気……」


私の言葉を遮り、正樹が「ごめん」と言って、土下座をした。



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