カットハウスやわた
正樹に背を向けると、後ろから抱きしめられた。強く抱きしめられると、凍結したはずの千年の恋が、溶けそうになる。


許しても、いいかな……。
正樹ほどのイケメンと巡り逢えるチャンスは、そうそうない。振られるのならともかく、自分から振るのは、惜しい。そう思わせるほど、極上のイケメンだ。


ふっ……と、力が緩んだ……と思ったら、素早い動きで、私は、正樹に押し倒されていた。


「な……なに?」


「……真矢の匂いを嗅いでいたら、したくなった」


結局、ソレ?ケモノか、オマエは?
言葉よりも先に、手が出ていた。正樹の頬にさよならのビンタをした。



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