カットハウスやわた
家に帰って荷物を置くと、ふぅーとため息をつきながら、ゆっくりと座った。天井を眺めると、魂が抜けそうになる。


勢いで、仕事も彼氏も失った。失った……というよりは、自分から手放した。


自分から手放したくせに、今更、どうしようと思っている……。


「あー!ダメダメ!」


立ち上がり、鏡の前で笑顔を作る。鏡は真実を映すから、ニセモノの笑顔は、歪んでいるように見える。


「そうだ……」


私は、急に思い立ち、鞄を持つと、家を飛び出して駅を目指した。



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