カットハウスやわた
ゆっくりと立ち上がり、もう一度、辺りを見回した。


「ほしふりぎんざ……」


商店街のアーケードに書いてある文字を読んだ。時計は、朝の六時を示していた。


「『星降』と書いて『ほしおり』と読みます。『星降銀座商店街』」


「あ……そうですか……」


酔いつぶれて、記憶をなくして、おまけに読み間違えて……。恥の上塗り。


「ご存知ない……ということは、この近辺にお住まいの方じゃないんですね?」


「……はぁ……」


「コーヒー、飲んでいかれます?」


そういえば、お腹が空いてきた。私は、コクンとうなずいた。



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