カットハウスやわた
……どこをどうやってこの商店街にたどり着いたのかわからないけれど……酔いつぶれた私は、商店街の喫茶店の前で寝てしまっていたらしい……。


店内に入り、私は、目を丸くした。


大きな鏡、足で踏むと上下する椅子、奧にはシャンプー台……。まるで、散髪屋のようだ。


あ! 違う。外観は、喫茶店のような散髪屋だ!


でも、どうして私にコーヒーなんて、勧めたの?


「おかけになって下さいね。コーヒー淹れますから」


「はぁ……」


私は、二階に上がる男の後ろ姿に目をやりながら椅子に座った。



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