カットハウスやわた
熊野さんに続き、また曲者が現れた。そう思いながら、店に入った。
「どうもありがとう」
その点、八幡さんは普通にいい人でよかった。これがイケメンだったりすると、好きになっちゃうかもしれないし。そうなると厄介だ。
まぁ、相手も私が好きなら問題ないんだけれど。
時計が十時を指すころ、八幡さんがドアに掛けてある札を‘‘切ってます”にする。十時を過ぎたからって、すぐにお客様がわんさかやって来るわけではない。
ここは商店街の、小さな散髪屋なのだから。
お客様が来るまで特に会話もなく、八幡さんは本を読み、私は、意味もなく店内の隅々に視線を送る。
ふと、カレンダーに目がいった。さっき言っていた、サッカーチームのカレンダーだ。今月最後の月曜日に、赤い丸印。気になって、カレンダーをめくると、また!さらにめくっても、また!
「どうしたの?カレンダーなんかめくって……」
八幡さんに声をかけられ、ビクッとする。もしかしたら、亡くなった奥様との記念日なのかもしれない。その日は、お墓参りに行く……とか。
「あ、いえ……めくってみただけです」
そう返事をした時、カランコロンとドアが開く音がした。本日最初のお客様が来たようだ。
「どうもありがとう」
その点、八幡さんは普通にいい人でよかった。これがイケメンだったりすると、好きになっちゃうかもしれないし。そうなると厄介だ。
まぁ、相手も私が好きなら問題ないんだけれど。
時計が十時を指すころ、八幡さんがドアに掛けてある札を‘‘切ってます”にする。十時を過ぎたからって、すぐにお客様がわんさかやって来るわけではない。
ここは商店街の、小さな散髪屋なのだから。
お客様が来るまで特に会話もなく、八幡さんは本を読み、私は、意味もなく店内の隅々に視線を送る。
ふと、カレンダーに目がいった。さっき言っていた、サッカーチームのカレンダーだ。今月最後の月曜日に、赤い丸印。気になって、カレンダーをめくると、また!さらにめくっても、また!
「どうしたの?カレンダーなんかめくって……」
八幡さんに声をかけられ、ビクッとする。もしかしたら、亡くなった奥様との記念日なのかもしれない。その日は、お墓参りに行く……とか。
「あ、いえ……めくってみただけです」
そう返事をした時、カランコロンとドアが開く音がした。本日最初のお客様が来たようだ。