カットハウスやわた
まさかの再会
会計を済ませると、店員が玄関までお見送りをしてくれた。
外に出ると、サラリーマンふうの男性がふたり、インターホンを鳴らそうとしていた。
「ありがとうございました。またお越しくださいませ」
店員は、私たちに丁寧に挨拶をした。そして、次の客に声をかけていた。
「真矢……」
すれ違い様に私を呼ぶ、聞き覚えのある声に、ビクッとした。うつむいて、気づかないふりをして通り過ぎた。
八幡さんと肩を並べて少し歩いた時、肩に手をかけられ、思わず歩みを止めた。正樹だ……顔を見ることもできない。八幡さんも、一緒に足を止めた。
「コレが、真矢の新しい男か?」
「コレ……って!失礼な言い方、やめて!今、働いている商店街の散髪屋さんよ」
正樹をキッと睨みつけた。彼は、ニヤリと笑って、どうも……と頭を下げた。
「真矢、この近くに住んでるの?」
「あなたには、関係ない」
「冷たいなぁ……」
そう言うと、私の髪留めを勝手に外した。長い髪が、ハラリと落ちる。
「ちょっと!なにするの⁉︎」
「オレは、このほうが好きだから」
『好きだから』
そう言われ、顔がカッと赤くなる。
「また、連絡する」
正樹はそう言って、私から離れた。私はしばらく、金縛りにあったように、動けなくなった。
外に出ると、サラリーマンふうの男性がふたり、インターホンを鳴らそうとしていた。
「ありがとうございました。またお越しくださいませ」
店員は、私たちに丁寧に挨拶をした。そして、次の客に声をかけていた。
「真矢……」
すれ違い様に私を呼ぶ、聞き覚えのある声に、ビクッとした。うつむいて、気づかないふりをして通り過ぎた。
八幡さんと肩を並べて少し歩いた時、肩に手をかけられ、思わず歩みを止めた。正樹だ……顔を見ることもできない。八幡さんも、一緒に足を止めた。
「コレが、真矢の新しい男か?」
「コレ……って!失礼な言い方、やめて!今、働いている商店街の散髪屋さんよ」
正樹をキッと睨みつけた。彼は、ニヤリと笑って、どうも……と頭を下げた。
「真矢、この近くに住んでるの?」
「あなたには、関係ない」
「冷たいなぁ……」
そう言うと、私の髪留めを勝手に外した。長い髪が、ハラリと落ちる。
「ちょっと!なにするの⁉︎」
「オレは、このほうが好きだから」
『好きだから』
そう言われ、顔がカッと赤くなる。
「また、連絡する」
正樹はそう言って、私から離れた。私はしばらく、金縛りにあったように、動けなくなった。