カットハウスやわた
「見た目、だけ?」
「とりあえず、ラスクのついた手を放してください」
熊野さんは慌てて手を放し、私は自分の手についたラスクのくずを、おしぼりで拭いた。
「……そういうわけですので……」
私はつぶやくように言うと、立ちあがった。
「どういうわけだよ?真矢」
「ごめんなさい」
深々と頭を下げてから、熊野さんをおいて、ベーカリーを出た。外は、今日も朝から暑かった。私の顔が熱いのは、暑さのせいだけではなかった。
「おはようございます」
店に入ると、八幡さんは座ってスポーツ新聞を読んでいた。広げた新聞から、ちょこっと顔を出す。
「おはよう」
今日は、逆さじゃない。エロい記事じゃなくて、サッカーの記事を読んでいるに違いない。私は、少しホッとすると、エプロンをつけて外に出た。
「掃除、してきまーす」
「とりあえず、ラスクのついた手を放してください」
熊野さんは慌てて手を放し、私は自分の手についたラスクのくずを、おしぼりで拭いた。
「……そういうわけですので……」
私はつぶやくように言うと、立ちあがった。
「どういうわけだよ?真矢」
「ごめんなさい」
深々と頭を下げてから、熊野さんをおいて、ベーカリーを出た。外は、今日も朝から暑かった。私の顔が熱いのは、暑さのせいだけではなかった。
「おはようございます」
店に入ると、八幡さんは座ってスポーツ新聞を読んでいた。広げた新聞から、ちょこっと顔を出す。
「おはよう」
今日は、逆さじゃない。エロい記事じゃなくて、サッカーの記事を読んでいるに違いない。私は、少しホッとすると、エプロンをつけて外に出た。
「掃除、してきまーす」