カットハウスやわた
今日も、一日が終わった。十九時を過ぎ、八幡さんがドアにかかった札を‘‘おやすみ中です”にかえた。
「お疲れ様」
「お疲れ様……でした」
「正樹さんと、ゆっくり話し合っておいで?」
「はい。行ってきます……」
私は八幡さんの目を、見ることができなかった。エプロンを外すとすぐ、喫茶店に向かった。
カランコロンと懐かしい音がして、マスターが「いらっしゃい」と、渋い声で迎えてくれた。私は、窓際のテーブルへ向かい、マスターに背を向けるようにして座った。
マスターの奥様が、水を出してくれる。輪切りのレモンが入った水。私は、アイスコーヒーを注文すると、商店街を行き交う人々に目をやった。
特に、なにも考えていなかった。ただ、ぼんやりと外を眺め、時々、アイスコーヒーを口にした。
喫茶店の向かいにある惣菜店のおかずたちがほとんど売り切れ、人の数も少なくなった頃、カランコロンとドアが開く音がした。
「真矢」
私の前に現れた正樹は、流れる汗も拭かず、息をきらしていた。
「お疲れ様」
「お疲れ様……でした」
「正樹さんと、ゆっくり話し合っておいで?」
「はい。行ってきます……」
私は八幡さんの目を、見ることができなかった。エプロンを外すとすぐ、喫茶店に向かった。
カランコロンと懐かしい音がして、マスターが「いらっしゃい」と、渋い声で迎えてくれた。私は、窓際のテーブルへ向かい、マスターに背を向けるようにして座った。
マスターの奥様が、水を出してくれる。輪切りのレモンが入った水。私は、アイスコーヒーを注文すると、商店街を行き交う人々に目をやった。
特に、なにも考えていなかった。ただ、ぼんやりと外を眺め、時々、アイスコーヒーを口にした。
喫茶店の向かいにある惣菜店のおかずたちがほとんど売り切れ、人の数も少なくなった頃、カランコロンとドアが開く音がした。
「真矢」
私の前に現れた正樹は、流れる汗も拭かず、息をきらしていた。