カットハウスやわた
「おはよう、真矢ちゃん」


外は、ジリジリと真夏の太陽が照りつける。いつもと変わらない、真夏の朝。接骨院の息子の挨拶におはようと応えた。


「ねぇ?イケメンとやり直すなら、この街を出ていくの?」


いきなりそんな質問をされ、夏の暑さのせいではなく、クラッとする。


「誰がやり直すって?」


「あんなイケメンなら、やり直すでしょ?」


「でも、酷い浮気性」


「そうなんだ?それなら、オレなんかどう?真矢ちゃん一筋で尽くすよ」


「遠慮しとくわ」


そう言うと、サッサと掃除を済ませて、店内に入った。カランコロンとドアの音が響く。エアコンの効いた店内に入ると思わずつぶやく……「生き返る〜!」


「暑い中、ご苦労様」


八幡さんが、私に背を向けたまま、カレンダーを眺めていた。なにか、考え事がある時は、カレンダーを眺めているような気がする。


「八幡さん」

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