痛くしないで!【短】
「じゃあ、始めようか」
先週と全く同じことを言って、
これまた馴れ馴れしく私の体に触れる。
おじさんに触れられたところに、鳥肌が立った。
これから始まることを考えると怖くて、
私はきゅっと目を瞑った。
「大丈夫、大丈夫」
そんな怖がらなくても、と付け足して
私の服を……まくり上げた。
怖くて、ただ怖くて顔を上げられない。
まだ何も“していない”のに、
ぐぐっと目元が熱くなる。
「!!」
私の目が瞑られたタイミングを見計らって、ヒヤッとした冷たいモノが体に塗られる。
突然のことに、私の体は大きく跳ね上がる。
冷たさが私の対抗心を奪っていく。
冷たい。不安がどんどん増していく。
こんなことは今すぐやめてほしいけれど、
もうここまできたら私は逃げられない。
逃げてもすぐ捕まってしまうだろう。
そしておじさんの腕がモソモソと動いたかと
思うと、出てきたのは棒状のモノ。
見るからに固そうで、
これが今から私の中に入るのかと思うと
寒気がしてくる。