痛くしないで!【短】
「!! ああ……っ」
ついに、入った。
それは奥まで入って、“液体”を私の中に入れる。
もう感覚で“入ってくる”ことがわかる。
「痛くない、痛くない……」
おじさんはぶつぶつとこう言いながら
さらに奥まで入れてくる。
そりゃおじさんは痛くないでしょうよ!!
声にならない私の心の叫び。
ずっと私の心の中は、
焦って、怖くて、不安で、痛さで
落ち着かない。
………………
数秒たって、おじさんは全部“出しきった”ようで、
モノが私の中から抜かれた。
その瞬間、たまっていた不安がため息とともに出ていった。
「痛かった?ごめんね……」
おじさんの笑顔は、最初から最後まで変わらなかった。