甘い甘い体
ひなはキレイな振袖を着ていた。
「変・・・?」
何も言わない俺にひなが照れたように首をかしげて聞いてくる。
「え・・いや・・・」
俺は口元を手のひらで覆う。
てか似合いすぎだろ?
薄く化粧をして、髪をキレイにアップして。
ピンクに白。キレイな花柄の振袖。
恥ずかしそうにしていたひなの目が少し不安そうになる。
「ごめんね、わざわざ来てもらっちゃって・・・・・お母さんがどうしても優君に一番に見せなさいって・・・」
俺はどうすればいいんだろう・・・
こんなめちゃくちゃキレイになったひなを見て、何にも出来ない。
「優君?」
俺を見上げるひなはすげーキレイで。
ため息が出るほど。
いつもと同じ、ひなの目も全然違う。
俺は自分の首に巻いたマフラーをはずし、ひなの首に軽く掛ける。
「首もと、寒そう。」
それだけ言うと、マフラーを軽く引き寄せ
キスをした。
触れるだけのキス。
どうしてだろう、それだけなのに、スゲードキドキしてる・・・
ゆっくり唇を離すと
「優君・・・ここ、家の前。」
「あ・・・」
場所忘れてた・・・
「ごめん・・・つい・・・」
どうていいかわからなかった。
ただ、無性にキスしたくなった。