甘い甘い体
ノリの手が私に触れようとする。


もう少しで触れそうなときに、ノリの手が止まった。


「・・・・・触って・・いい?」


悲しそうな顔で言われる。


あ・・・


あのとき、振りほどいたから・・・



ギュッとノリに抱きついた。



「だって、だってっ・・・二人で一緒に居たかってんもんっ!」


「俺だって、そうだったよ?」


「ちがうっ、ノリはエッチしてばっかで・・・・・・せっかくの休みやのに・・・・・・・朝ゆっくりしたり、手つないで歩いたり!デートしたかったの!!やのに・・・」


涙を流したままノリを見上げる。


「ノリが好きなのは結衣の体だけ・・・・?」

「違うよ!」

「だってっ・・・いやって言うのに止めてくれへんしっ、エッチだけして後は寝てるだけやしっ・・・・・・・・」


「・・・・・・・ごめん・・・・・」


「一緒に居るのに・・・淋しかったぁ・・・」


ポロポロ涙がこぼれる。


「楽しみに・・・してた・・・・ノリとデートするの・・・・」



「俺・・・結衣と二人になると・・・・止まんないっていうか・・・・」


ノリが私の頭を撫でながら言う。


「結衣が好きだから、だから・・・・我慢できなくて・・・・・・・」


ノリが私を離して頭をボリボリかきだした。


「ホント・・・ごめん・・・・」


首を横に振る。


「もういいっ・・・・結衣こそ、怒ってごめん・・・」


その日は二人、手をつないで帰った。


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