甘い甘い体


みんなに見送られて新幹線に乗った。


やっぱ、寂しいな。


3月に神戸から出る時はもっと寂しかったけど。


さっきまで大騒ぎしてた。


公園に居たメンバーみんなでギューギューに車に乗り込んで。


私を見送ってくれた。












結衣が乗った新幹線が見えなくなって



「拓ちん、いいの?東京ヤローに食われちゃってるで」


映子がみんなに聞こえないように拓に話しかける。


「いいの、いいの、結衣幸せそうやん?」


「なんや、てっきり結衣と拓は付き合うもんやと思ってたのに。」


「オトンみないなもんかな?寂しいけどね。」


「ふーん」











東京に着くとすぐノリが迎えに来てくれた。



「ん~、さみしかったぁ~」



私を見つけるなりハグして私の頭に頬をスリスリするノリ。



うん。もうこっちが落ち着く場所になっちゃってんのかな。


ごめん、お父さん。



ノリの大きな手に包まれてほっと安心してる。



次神戸に帰るときはノリも一緒かな。








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