甘い甘い体
不安そうに俺を見上げる結衣をギュッと抱きしめた。
いつまでたっても伝わらない気持ち。
結衣が不安になることなんて一つも無いのに。
どうしたら全部伝わるんだろう
「俺は、結衣のしかいらない。」
小さく呟いた。
夏前に一緒に買ったおそろいの指輪。
薬指を拒んだのは、俺に自信がないから。
まだ、学生で、実家に住んでて。
学費だって生活費だって全部親に頼ってる。
そんな子供の俺が、結衣を幸せにするなんて言えないから。
ちょっとした出来心で義理チョコ集めたりしたことを後悔した。
「ごめん・・・・信じてないわけじゃないねんっ・・・ただ・・・・」
泣き止んだと思った目からまた涙がこぼれる。
俺が黙ったから、また不安がらせてしまった。
「自信がなくって・・・・自分にっ・・・だからっ・・・・」
あぁ・・・・結衣も同じ気持ちだったんだ・・・
やっぱ俺ってバカ。
なんでこんなに泣かせてんだろう。
俺の服をギュッと握る手。
その手を優しく取って、結衣と目線を合わせる。
「俺も。」
そう言って、めいいっぱいの気持ちを込めてキスをした。