甘い甘い体


●優



土曜は朝から中学の頃の先輩に連れまわされる。


就活に入るから。


今しか遊べないらしい。


昔っから可愛がってくれてた先輩だし。


尊敬できる部分はいっぱいある。


ひなの様子がちょっと変だったのが気になるけど。


断るわけにはいかなかったんだ









朝から近所の小学生にバスケ教えるとかで、ボランティアで働かされて。


午後からは中学行ってまたバスケして。


そこのボランティアでコーチやってる人たちと晩飯食いに行って。



もう11時過ぎた頃にはクタクタ・・・



でも久々にこんなに体動かしたし、楽しかった。



2件目の店を出て


「3件目いくぞー」


そう言い出した先輩。


「あの・・・俺・・・」


帰りますって言おうとしたのに・・・・


「お前、俺の誘い断んの?」


ギロって睨まれる。


なんか変だ。


いつもならこんな強制的なことしないのに。


なんて思ってると。



「近藤ちゃんね、彼女に振られたばっかなのー。だからバレンタインに一人でいるの絶えらんないんだよね〜」



え・・・・・・?



「バレンタイン・・・?」



「余計なこと言わないでくださいー、ホラ優!行くぞ!」









水曜、授業のあと、ひなに会ったとき・・・



「ね、今週の土曜って何してる?」


って聞いてきたよな・・・




「あ!あのっ」


俺が大きな声を出した頃には先輩はもう歩き出してた。


でも、その日仲良くなった先輩の友達が



「居なくなってもフォローしとくから、帰っていいよ。」


俺の様子を察してくれたのか、そう言ってくれた。



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