甘い甘い体



どうする?



電話する?



もう11時半。


家に行くのはさすがに迷惑だよな・・



『チョコくれ』なんて言えないし。



なんでバレンタインって誰も言ってくんねーの??


なんて思ってみてもしょうがないんだけど。




はぁ・・・・



俺ってバカ。



ひなから誘ってくるなんて滅多に無いじゃん。



なんでもっと深く考えなかったんだろう。




考えてみたってどうしようもなくて



ひなからのチョコがほしいって気持ちもあるけど、それより、今日の誘いを断ったことに傷ついてないかなってそればっか考える。




気付けば足はひなの家の前で止まっていた。









「電気消えてる・・・・」


独り言を呟くと息が白く出る。


ひなの家はごく一般的な家庭。


俺んちみたいに両親不在じゃないし。


夕食は家族団らん。


お風呂は順番。


門限は11時。


あったかい、すごくいい家庭。




そんな一般的な家庭は12時には全員寝てんだろうな。


腕時計を確認すると時計の針はあと2分で12時になろうとしていた。





諦めて帰るか。


明日、会いに来よう。


そう思って、家までの道を歩いた。


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