甘い甘い体
「どうしても・・・当日に渡したかったのっ・・・・去年は受験で私は何にも出来なくてっ・・・でも優君は他の子から・・・・貰ってたって聞いて・・・・・・・
すごい・・・ヤだったから・・・・」
今にも泣き出しそうに辛そうな声を出すひなをギュッと抱きしめた。
「今年は絶対一番に渡したかった・・・・だから・・・」
「俺はひなからしか受け取んないし・・・」
家に入ってひなの冷えた体をあっためるように抱きしめてソファに座る。
「体中冷えてんな・・・・」
そう言って、顔中にキスを降らす。
「あ、あのっ・・・チョコ・・・」
膝の上で両手に包まれたチョコ。
「空けて。」
俺が言うと、リボンを解きチョコを取り出すひな。
「手作り?」
耳元でしゃべるのがくすっぐったいのか、至近距離で顔があるのが恥ずかしいのか真っ赤になったひなが小さく頷く。
「絢乃ちゃんちで作ったの・・・」
一粒手に取り口に入れると
いつもなら至近距離で恥ずかしがるはずなのに、じっと俺の顔を見つめる。
「おいしい?」
不安そうに俺に聞く。
俺は何も言わずひなを見つめた。
なんかいつまでも見ていたいって・・・
会話の途中でもよく思うんだ。
黙った俺にいつもひなは焦って言葉を繋ぐ。
「優君、甘いの苦手だから、ちょっと甘さ控えめにしたんだけど・・・・・」
不安そうに俺を見つめるひながかわいくて。
後頭部に手を回し引き寄せ、キスをした。