甘い甘い体
「はぁ~」
大げさなぐらい大きなため息が出た。
俺のため息に反応してひながぱっと顔を上げる。
不安そうな瞳。
「んなこと気にしなくていーっつの」
安心させてやりたい。
でも、自分の気持ちが全然伝わってないことにイヤになる。
やっぱり言わないと伝わらない?
「ひゃっ」
勢いよく立ち上がりひなを抱き上げる。
「ゆっ・・優君?!」
「暴れたら落ちるぞ」
低い声でそれだけ言うと、ひなが大人しくなった。
無言のまま俺の部屋へ向かい、ベッドの上にひなを下ろした。
不安そうな瞳のまま俺を見上げる。
怯えたような瞳。
なんでこんな時に優しくしてやれねーんだろ。
「前の女なんて比べない。俺がシたいと思うのはひなだけ」
ひなの上に跨り、ひなの頬を撫でる。
言ってて辛くなる。
なんで伝わらないんだろう
甘い言葉をいっぱい並べたらひなは安心するんだろうか
俺は気安く甘い言葉なんて言えない。
「ひなは?」
そんな俺でいいの?