甘い甘い体

目覚めて、携帯を結衣から受け取る。


「はい・・・あ・・・」


電話の先はアキ。


同じクラスの女の子。


別にやましいことなんてないよ?


彼氏がバンドやってて、それが結構人気あるらしくて。


前から誘われてたんだけど、バイトで忙しくて行けなかったし。


アキにも彼女紹介しろって言われてたし。


せっかくの休みでもチケット取れなくて行けなかったんだけど、キャンセルが出たから今からおいでって。


結衣紹介したいし、アキの彼氏の歌ってるとこも見たいし。


「行こう!」

って言う俺に急に怒り出す結衣。


「わからへんのやったら自分で考えて!もう、知らんし!」


って。


考えてもわかんねーから聞いてんだけど?



何回聞いても教えてくれないし、怒ったままの結衣。


どうしろってんだよ。


腕をつかんで振り向かそうとすると、腕をはらわれた。


結構傷つく。



大きなため息。


心を落ち着かせて。


「もういいよ、勝手にしろ。」



俺は、気性は荒いほう。


高校の時とか、ケンカばっかしてたし。


大学に入って、そろそろ大人だしと思っておとなしくしてた。


昔ほどキレることもなくなったし。


今では真面目な友達も多い。


結衣には優しく接しなきゃって思って。


スゲー、俺からは想像できないぐらい、優しい男になってたつもりなんだけど。


仁とかタカが見たらひっくり返ってびっくりするぐらい。



そんな俺だって怒るっつの。

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