甘い甘い体
「たーだいまー!」
元気よく玄関が開く。
今日はノリの誕生日。
授業が終わって急いで帰ってきた私は夜ご飯を作った。
ノリの好きなから揚げ、ハンバーグ、餃子。
変な組み合わせ。
「おぉ~、豪華」
テーブルに並ぶ料理を見てはしゃぐノリ。
「おいしそーやろー?結衣の力作やで!心してお食べ!」
「はーい。」
「その前に手ぇ洗って~」
「はーい。」
ニコニコ笑顔のノリ。
その笑顔見てるだけで幸せやってわかってる?
食べ終えたノリはソファーに寝転がる。
「食べ過ぎたー!」
そう言ってポケットを探りタバコを出した。
そだ!渡すなら今だ!
そう思った時。
「見て見て、コレ、超かっこよくない?」
そう言って見せてきたのはレトロなジッポ。
「え・・・?」
「これね、同じクラスの竜斗ってヤツがいっつも使ってたやつなんだけど、前からかっこいいなぁって見てたの、そしたら誕生日にコレやるって俺にくれたんだ!」
嬉しそうにジッポを眺めるノリ
そんな事言われたら・・・出されへんやん・・
「結衣?どした?」
黙ったままの私を不思議に思ったのか顔をのぞいてくる。
「よ、よかったやん!めっちゃかっこいい!」
「ん。あ、そだ、タバコ切れてたんだ買ってくる。」