甘い甘い体
清花に背中を押され、優君に電話する。
長い長いコールの後
『ひな?』
大好きな優しい、低い声が耳に広がる。
「あ、優君。あのね・・・」
『ん?』
電話の向こうではにぎやかな声。
きっと食堂だ。
ガヤガヤするなか結衣ちゃんの声とか聞こえる。
「なんか・・・・声・・・・聞きたくて・・・」
震える声。
ばれてる?
でも、伝えなきゃ・・
「あ、あの・・・」
『ひな、今日何時に終わる?』
「え・・?」
『会えない?』
低い、優しい声が耳に届いて、泣きそうになる。
会いたくて、どうしようもなくて。
好き。
『ひな?』
私を呼ぶ、その声が好き。
気持ちが大きくなりすぎて、胸がいっぱいで。
苦しいよ。
「会いたい・・・・会いたいよ・・・」
小さく呟くと。
『わかった。待ってて。』
優君がそう言うと電話が切れた。