甘い甘い体


●優



食堂でメシ食って。


仁と結衣が大声で言い争いをはじめる。


討論の内容は


夏の旅行の部屋割り。



「個室いるって!個室!夏の海じゃん!なんかあるって!」

という仁に


「何があるんよ!みんなで行くんやんか!値段高くなる!大部屋一個に女子の着替え用個室一個でいいって!」


という結衣。


相変わらず、仁の頭ってそういうのしかないのか?


場所も日程も決まって、後は部屋何個使うか旅館に予約するだけ。


バイト三昧で寝不足な俺。


バーのバイトは時給もいいし、楽なんだけど、飲まなきゃなんないのが疲れる。


俺、今朝も5時まで出勤だったんですけど・・・


結衣の声はデカイし、仁の声も結構でかい。


頭に響く~・・・・



ひなとは2週間会ってない。


夏の旅行のために必死にバイトして、夏休み前で鬼のような課題に追われ。


会いたい。


会いたいけど、眠い・・・・







「な!優はどう思う?」


「やっぱいるよな!優もひなと個室!」


「へ?」


眠くてボーっとする中のいきなりの質問に変な声が出る。


「水着じゃん!海じゃん!その日の夜は盛るって!」


「いや・・・・」


正直、仁の言い分もわかるけど・・・


「あかん!ひなちゃんにそんなことしたらあかん!!」


「は?」


いや、結衣の言ってる意味わかんない。


「汚れる。」


結衣の言葉にちょっとカチンとくる。


「なに?結衣、ケンカ売ってる?」


「あーかーんーの!そんなこと許しません!」


「誰だよお前」


「ひなちゃんを守る会」


「意味わかんねーし。」

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