甘い甘い体


ポタっと水滴が畳を濡らす。


ギュッと目をつぶっても涙が出てくる。


せっかくの旅行なのに・・


ずっと前から楽しみにしてたのに・・・


こんな水着着てたら台無し。





私は大部屋を出て、女の子の荷物が置いてある個室に向かった。









水着、脱ごう。


鏡に映る自分の姿を見て、ギュッて優君のパーカーを握り締める。



可愛いってみんな言ってくれるから、うぬぼれちゃったんだ。



もしかして、優君も可愛いって言ってくれるかなって・・・



普段、めったにそんなこと言わないから。



照れてるだけだって結衣ちゃんは言ってくれるけど。



でもそれは、照れてるんじゃなくて、私に魅力がないから。



そんな事、わかってたんだ・・




わかってたんだけど、



言ってほしかったな・・




凛ちゃんや、結衣ちゃん、絢乃ちゃんみたいに。



私も可愛かったらよかったのにな。
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