甘い甘い体


優しく笑ってみせる。


でもひなはマユを下げたまま。


「じゃ・・・なんで・・・?」


そう言って着ている白いパーカーの胸元を握る。


「なんでコレ・・・」


ひなが着ている俺のパーカーは水着をすっぽり隠して、首元までジッパーが閉まってる。


なんでって・・・・


「水着隠すためでしょ?似合わないからっ・・・可愛くないからっ・・・隠すように貸してくれたんでしょっ・・・」


ひなの目から涙が溢れ出した。


似合わないって、俺が思ってるって思ってた?


んなわけないのに。


俺はジッパーに手を掛ける。


「ちげーよ・・・・」


ちゃんと言葉にしないと伝わらない。


そんな事わかってんだけど、簡単じゃねーんだよ・・・。


ゆっくりジッパーを下ろす。


白い肌が少しずつ見えてくる。



「誰にも見せたくなかった・・・」


「え・・?」


全部開いたパーカの中に手を入れ、指先で鎖骨から胸の谷間に指を滑らせる。


「俺以外に・・・・見せたくないから・・・ひなの肌・・・」


そう呟くと、ひなの顔はさっきと違って赤くなる。



「え・・じゃ・・水着は・・・?」


赤くなりながら、ちょっと遠慮気味に俺に問うひな。


涙目で、少し不安そうな目。


耳まで真っ赤にして・・・


ヤバイ。ヤバイって。


んな顔すんなよ・・






俺は勢いよくひなを引き寄せる。


ギュッと抱きしめ。


「似合ってる。超かわい・・・」


耳元でささやいた。



< 69 / 139 >

この作品をシェア

pagetop