甘い甘い体
●絢乃
「大丈夫だって。絢乃ちゃん太ってないじゃん!」
「あ、ほら、この手袋可愛いよ?」
「このマフラー絢乃ちゃん似合いそう!」
なんて。
さっきから私の機嫌伺う智くん。
必死にしてる姿が可愛くて。
ふん、いつもの仕返し。なんてちょっと楽しかったり。
なんて心の中で笑ってると
「はぁ・・・」
小さくため息が聞こえた。
不思議に思ってゆっくり振り向くと、捨てられた子犬みたいな目をした智くん。
「ほんと、ごめん。機嫌直して?俺、絢乃ちゃんの手料理食べたい・・・」
しゅん、って音が聞こえてきそうなぐらい落ち込んでる智くん。
あ、ちょっと虐めすぎちゃったかな?
「うそ。怒ってないよ?」
にっこり笑って、下を向く智くんの顔を覗くと
今度は顔を真っ赤にして
「マジで?!はぁぁ~、俺、本気で嫌われちゃったかと思ったよ~」
なんてホッとしてる。
「よしっ、じゃ、鍋選ぼう!んでスーパー行って、あ、俺、しゃぶしゃぶがいいな~」
なんて。
「えっ?今日??」
「え?違うの?俺、今日がいい!ダメ?」
「あ~・・・うん。・・部屋ちらかってるし・・・」
「大丈夫!俺片付けるし!」
「いや、それも困る!」
「大丈夫だって、俺、片付けるの上手だよ?」
「えっ・・・でも・・・」
「ほら、選ぶよ!俺、この黄緑のがいい!」
なんて、押されちゃって・・・
どうしても弱いんだよね、智くんの
「ね?お願い。」
この顔・・・・