甘い甘い体
楽しそうな笑い声が聞こえる。
カウンターにあるガラスにちょうどダーツをしてる智くんたちが映ってる。
女の子が智くんの髪に触れたり、智くんが女の子の背中を冗談で軽く押したり・・・
仲が良さそうで、いつも私と一緒に居る智くんと全然違う
胸がズキズキ痛むよ。
笑い声も聞きたくない。
触らないで、笑いかけないで・・・
智くんは私のことどう思ってるの?
ただの世話のかかる友達・・?
なんで色々誘ってくれるの?
ただの気まぐれ?
つらくて、泣きそうになる。
その時・・・
ガタっと音を立てて席を立った仁君が後ろを振り返り
「智久!」
え?
片手を挙げて智くんを呼ぶ仁君。
「なんっすか?」
智くんはダーツの矢をテーブルに置き、ゆっくり歩いてくる。
「わりぃな、俺今から予定あってさ、絢乃のこと頼むわ」
「え?え?」
パニックを起こす私に
「ごめんな、後は智久に頼んで」
「え?」
「じゃ。」
仁君はカバンを肩に掛け、
「ヒロさーん、帰るねー」
そういうと、店を出て行ってしまった。