家出少女と風花寮
風花荘




数年後。


大学に進学した今も、風花寮だったところの敷居を跨ぐ。

「ただいま」

「おかえりなさい」

大家さんの声を聞いて、2階の自室に入り、机に向かう。

本来なら、学生寮であるここは、高校卒業とともに出ていかなければならない場所だった。

しかし、大家さんが。

「次の入居者も決まっていませんし、腐れ縁の学生マンションもありますから」

とのことで、学生向け施設を撤回。

『風花寮』から『風花荘』に名前を変えた。
私が入寮した時のメンバーも、そのまま入居している。

青木君は、欲に忠実な腐男子で。

中島君は、青木君を追い続けている。

園田双子は、喧嘩するほど仲がいい。

大家さんは、そんな私達を導いてくれた。

高校生の時と比べて、私はどれくらい変われたでしょうか。

考え込んでいると、扉をノックされた。

「ゆき、ご飯」

北山君は、優しさに拍車がかかっている。

「今行きます」

ノートを閉じて、部屋の前で待っている北山君と一緒に、皆の集まるリビングへ向かう。








机の上に残された、一冊のノート。
閉じた表紙には、『家出少女と風花寮』の文字があった。










< 69 / 69 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

まじないの召喚師3

総文字数/108,685

ファンタジー69ページ

表紙を見る
まじないの召喚師2 ー鬼の子と五大名家ー

総文字数/118,159

ファンタジー90ページ

表紙を見る
学校公認カップルの痴話喧嘩に遭遇してしまった。

総文字数/10,180

恋愛(学園)18ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop