【完】お隣さんは泥棒さん!?
「でもどうして鍵があたしの部屋に合ったんだろ。部屋ごとに限って違うはずだよね?」
「違う違う。だから俺も普通に自分の部屋だと思ってさ…。そしたら急に君が部屋に入ってくるし、俺のこと呼ぶし」
「…あたしもびっくりしたよ。ってか、あたしは泥棒って言ったんだよ?さすがに泥棒ってのが苗字とかそういうオチじゃないでしょうね?」
「あーえっと学生時代のあだ名が"ドロボー"だったんだ」
「へぇ、珍しいね」
「どうせだし自己紹介するよ。俺の名前は泥田直人-ドロタナオト-24歳。一応ホストやってる」
「…え?」
「ん?」
「24歳?」
「そうだけど?」
…年上!?
嘘、年上なの!?
あたし年下だって決めつけてた…!
だ、だって身長低いし童顔だし…。
「もしかして年下だと思ってた?夜の蝶、今井花梨ちゃん」
「…っ!」
「俺は君の名前も顔も全部知ってた。あそこで知らない人はよっぽどの新入りとかだからね」
「…そうね」
「年上って言ってもたった一つ上なだけだから気楽にしてね花梨ちゃん?」
「…なんか、ムカつく」
子供っぽい笑顔で話しかけてくる彼、ドロボーの姿は何故か前から計算してましたみたいな顔でちょっとムカついた。