【完】お隣さんは泥棒さん!?
「あ、何?花梨ちゃんもやっぱ知ってる?俺の店のこと」
「一応ね」
「なーんだ♪じゃあ今度遊びに来てよ」
「はぁ?行くわけないでしょ」
「…一応俺、今日君の事助けてあげたよね。借り返さないってどうなの?」
今まで高くてひょうひょうとした声だったのに、急に低くてぞくぞくっとくる声になった。
別にあたし助けてって頼んでない。
そう言いかけたけど、寸前になってやめた。
「今日のことは、確かにありがと」
「素直でいいね♪」
「…」
「ね、遊びにおいでよ!夜の蝶がうちの店に来ると多分他の奴らもやる気出るだろうしさ。あ!金の事も心配いらないよ。俺のおごりだから」
「…分かったわよ。行くわよ」
確か清香ママも一度starに行って偵察してくるとか言ってた。
でも忙しくてなかなか抜けれないって言ってたし…。
丁度いいのかも。
他の人気店に偵察に行って少しでも真似出来る所は真似をする。
それがスナック清香が大きくなっていった理由。
「じゃあ明日行くから」
「オッケー。貸し切りね」
「…は!?別にそこまでは頼んでないんだけど」
あたしの言葉なんて聞きもせず、ドロボーはどこかに電話をして貸し切りの旨を伝えていた。
あたしは…ただため息をつくしかなかった。