【完】お隣さんは泥棒さん!?
心なしか周りのホストたちはそわそわしたり、あたしをじっと見つめている。
あたしはグラスに注がれたお酒を一気に飲み干して、そのホスト達を睨みながらこう言った。
「何か言いたいわけ?だったら黙ってないではっきり言いなさいよ」
・・・ほら。
どうしてあたしはこういうこと言っちゃうんだろう。
せっかくこの人たちはあたしの為に色々やってくれてるのに。
「・・・夜の蝶っていう割には俺らにはただの可愛い女の子にしか見えなくて」
「正直夜の蝶の噂は結構やばめだったから何されるかと思ったけど・・・なぁ?」
「傷ついた顔してる。オレらで癒してあげられるなら癒してあげたい」
ぽんぽんぽんっと出される言葉達。
あたしは予想外の言葉に驚いた。
そしてお酒のせいかなんなのか・・・。
あたしの顔は真っ赤に染まった。
「お待たせ花梨」
わらわらとあたしに群がるホスト達を押しのけて、数十分という時間が流れ切った今ドロボーが戻ってきた。
「ほらお前ら花梨が困ってるから。引け引け」
ドロボーやドロボーの後ろにいるホスト達が手にしているのは・・・。
オムライス、ハンバーグ、カレー、グラタン。
他にもデザート、お肉、ジュース。
全て私の好物だった。