【完】お隣さんは泥棒さん!?
嘘、偽りなんかじゃない本気の思い。
そして・・・。
花梨を蝕んでいる闇から俺は花梨を救い出したい。
「花梨」
「…ん?」
「心の底から花梨が笑う時まで俺はずっと傍にいる。どんなに深い闇でも絶対に救い出す。だから…少しでも信用してくれたその時はその闇を俺に教えてくれないか」
「闇…?何言ってんの。馬鹿みたい」
花梨の声は少しだけ震えていた。
俺はそれを聞き逃さなかった。
「ずっと見てきた。花梨、君を。だから分かるんだよ」
「…いい加減にして」
もう二度と、目の前で誰かを失うのはごめんだ。
「俺が助け出してやる」
俺は誠心誠意をこめて花梨に伝えた。
花梨はすぐに俺から目をそらし、少し黙った後小さな声でこう言った。
「無理ね。あんたなんかには」
…助けて。
そう言っているようにしか俺には聞こえなかった。