【完】お隣さんは泥棒さん!?


嘘、偽りなんかじゃない本気の思い。


そして・・・。


花梨を蝕んでいる闇から俺は花梨を救い出したい。



「花梨」


「…ん?」


「心の底から花梨が笑う時まで俺はずっと傍にいる。どんなに深い闇でも絶対に救い出す。だから…少しでも信用してくれたその時はその闇を俺に教えてくれないか」


「闇…?何言ってんの。馬鹿みたい」



花梨の声は少しだけ震えていた。

俺はそれを聞き逃さなかった。



「ずっと見てきた。花梨、君を。だから分かるんだよ」


「…いい加減にして」



もう二度と、目の前で誰かを失うのはごめんだ。


「俺が助け出してやる」



俺は誠心誠意をこめて花梨に伝えた。

花梨はすぐに俺から目をそらし、少し黙った後小さな声でこう言った。




「無理ね。あんたなんかには」


…助けて。


そう言っているようにしか俺には聞こえなかった。
< 26 / 97 >

この作品をシェア

pagetop