【完】お隣さんは泥棒さん!?
結局花梨はその日俺の部屋に泊まった。
一応俺も男なのに、なんの警戒もしていない無防備な姿だった。
…俺は花梨に触れないと決めた。
だから一日理性を保つので精いっぱいだった。
本当はすぐにでも抱きしめて、壊したい。
そんな感情が俺を支配する時もあった。
でもそれを抑えていられたのは
アイツと花梨を重ね合わせている罪悪感だった。
「ありがとね、泊めてくれて」
「いつでも泊まっていいよ♪」
「…隣同士なんだからいつでも泊まってるようなもんだけどね」
「まぁね笑」
「じゃあ…また」
花梨は"また"と言って俺の部屋から出ていった。
それが少しだけ嬉しくて、柄にもなく一人部屋で微笑んだ。
「…また、か」
花梨は"夜の蝶"なんかじゃないかもしれない。