【完】お隣さんは泥棒さん!?
~♪
突然鳴りだす着信音。
俺は画面を確認して電話に出た。
「もしもし」
『俺だ』
「分かってるよ」
『店の方は順調か?』
「…そんなこと言いたくて電話したわけじゃないだろ?」
『…』
「早く用件を言えよ。親父」
『カリンだけはやめておけ』
それだけ言い終わると電話はプツっと切れた。
神田修二郎。
それが俺の親父の名前だ。
「どうしてお前なんかにそんなこと言われなきゃいけないんだよ」
もっとも親父とは言っているが、この事実は表沙汰にはなっていない。
何故なら、神田修一郎の愛人の子供だからだ。
望まれずに生まれた子供。
俺はその一人だった。
でも母さんが死んでから、音沙汰もなかった親父から急に電話が来た。
そして今に至る。