【完】お隣さんは泥棒さん!?
電話が来てから俺の人生は変わった。
貧乏だった俺に高級マンションの一室を与えてくれたし、ホストという職業を進めてくれたのも親父だった。
最初は親父と呼ぶのに抵抗を感じていた俺は、組長と呼んでいた。
今でも外面では組長と呼んでいる。
俺が№1ホストになってから親父も俺を認めるようになった。
そこから少しずつ、親父と呼ぶのにも慣れてきた。
…会話も増えて、今ではあんな形でも電話が来る。
「…はぁ」
俺は大きなため息をついてソファに倒れ込むように座った。
そのまま意識は遠のいていき、いつの間にか俺は深い眠りに落ちていた。
それからどれほどの時間が経っただろうか。
ピンポーンというインターホンの音で俺は目を覚ました。
時計を見ると2時をまわっていた。
「…遅刻だな」
遅刻だと分かっていても、たいして急がず俺は玄関に向かった。
ガチャっとドアを開けた先には部屋着を来た花梨が立っていた。
「…か、花梨!?」
「…ご飯」
「え?」
「…夜ごはん食べた?」
「食べてないけど…」
「…仕事は?」
「あーあるけど遅刻だし、今日は行かないでおこうかと思ってる」
俺の言葉を聞いた瞬間、花梨は有無を言わさず部屋にあがりこんできた。