【完】お隣さんは泥棒さん!?
「え、あっちょっと!?花梨!?」
よく見ると花梨の両手には白い買い物袋がぶら下がっていた。
「…それ」
「お礼っていうか。美味しいものも食べさせてもらったし」
花梨は少し照れながらぶっきらぼうにそう言った。
それがすごく可愛くて、俺は思わず口を手で覆い隠し花梨とは反対方向を向いた。
あんなの直視できない!
…できるはずがない!
「あたしも今日仕事休んだから!一緒にご飯食べよ!」
「…分かった♪」
あれだけ遠かった花梨が、こんな数日であっという間に近くになった。
花梨と出会えたことがただの偶然か、必然か。
俺にはまだ分からない。
「花梨!?何してんの!?」
「え?ご飯炊かなきゃって思って…」
「今この洗剤入れようとしたよね!?」
「だって…洗わなきゃいけないんじゃないの?」
…こういう新しい一面も見え始めた。
ふわふわ漂う俺の蝶々。