【完】お隣さんは泥棒さん!?
それから、あたしたちはプリンが冷えるまでDVDを借りて見ることにした。
あたしはホラーが嫌いって言ったのにドロボーは有無を言わさずに、ホラーばかりを借りた。
怖いのが苦手で、見ている時ずっとドロボーの背中に隠れて見ていた。
怖い時は何度かドロボーの背中に抱きついてしまったり、大きな声でドロボーを驚かせてしまったりとなんだかんだで楽しい時間を過ごせた。
そんなDVDの宣伝の中に、ある一つが目に入った。
それはあたしが大好きだったアニメの宣伝。
「…あっ!!!リリコちゃん!!可愛い」
思わず呟いて、それに気付いたあたしはすぐに我にかえる。
「な、なんでもない!つ、次のDVDを…あ、えっとプリンは…!」
「何慌ててるの花梨」
「え、いや…」
アニメもマンガも大好きだった時代があった。
二次元に逃げれば目の前の辛い事もふっ飛ばせていた。
だけど今あたしはそれを全て封印してる。
夜の蝶がそんなオタクだと知られたら、あたしはあたしじゃなくなってしまうから。
「プリンセス☆リリコ。俺も好きだよ」
「…え!?」
「って言っても、プリンセス☆リリコのあとにやってたライダー仮面GXの方が好きだけどね」
「ライダー仮面も好きなの!?」
「ホストだからあまり人には言えないけど」