【完】お隣さんは泥棒さん!?
「今の花梨も好きだけど、昔の花梨も好きだなぁ」
この時あたしの中で何かが切れた。
ぶわっと溢れだす涙たち。
そして誰にも言わないと誓っていたあたしの過去。
簡単に話さないって決めていたのに。
こんな形で、あんな言葉たちで簡単にその誓いはうち砕かれた。
「花梨!?ごめん。そんなにアルバム勝手に見られたことがアレだったか!?」
慌ててアルバムを閉じて元の場所に戻そうとするドロボーの手を止め、あたしは静かに語りだした。
「…花梨?」
泣きながら喋るあたし。
きっと内容も支離滅裂に近いかもしれない。
でも、真剣な顔でドロボーは聞いてくれた。