【完】お隣さんは泥棒さん!?

………

……








「ありがと。もう行っていいわよ」


「花梨が店の中に入るまでここにいるよ」




花梨は少し不機嫌そうな、でも嬉しそうな顔をして振り向き店の中に入っていった。


その姿はまるで綺麗なお姫様。

さっきも部屋の外で待ってると雰囲気が全く違う花梨が出てきて、俺は正直目のやり場に困った。



女はメイクで変わる。
でも、元が良くなければあそこまで綺麗にはなれない。


俺はそう思っている。



俺も俺で今はスーツ姿に髪はワックスで固めている。


「俺もこれから変わらなきゃな」




花梨へ向ける目は花梨にだけ。

これから俺は女を騙す男になる。





「…あんな姿は花梨には見られたくないな」



俺はそう呟き、自分の店に入った。
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