【完】お隣さんは泥棒さん!?
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「ありがと。もう行っていいわよ」
「花梨が店の中に入るまでここにいるよ」
花梨は少し不機嫌そうな、でも嬉しそうな顔をして振り向き店の中に入っていった。
その姿はまるで綺麗なお姫様。
さっきも部屋の外で待ってると雰囲気が全く違う花梨が出てきて、俺は正直目のやり場に困った。
女はメイクで変わる。
でも、元が良くなければあそこまで綺麗にはなれない。
俺はそう思っている。
俺も俺で今はスーツ姿に髪はワックスで固めている。
「俺もこれから変わらなきゃな」
花梨へ向ける目は花梨にだけ。
これから俺は女を騙す男になる。
「…あんな姿は花梨には見られたくないな」
俺はそう呟き、自分の店に入った。