【完】お隣さんは泥棒さん!?



「「「直人さんおはようございます!」」」


店に入るとホストの皆が俺に挨拶をしてきた。

夜なのにおはようっていうの未だに俺は慣れていない。



「散れ」


「「「はい!」」」


俺は冷ややかな目を送り、奥の自分専用の部屋へ向かう。

その途中、愁が俺に挨拶をしてきた。



「直人さん、おはようございます」


「…」


「…今日は俺店に出てもいいでしょうか」


「駄目だ」


「一応NO.2ですよね、俺」


「だからなんだ。俺に口答えするのか?」


「…こう言ってはなんなんですが、俺目当ての客が来ないじゃないですか。売上正直赤字じゃありませんか?」



俺がNo.1になってから愁を店には出さなくなった。

理由は…あの事件があってから。


でも正直赤字なのは間違いない。


俺がいくら稼いでも、愁以外のホストはあまり値段に貢献してこないし…。





「バイトにも金払えなくて繰り越してるって聞きましたよ」


「…じゃあ三日だ。三日間だけ出ることを許す。今の赤字を黒字にすることができたらまたお前を店に出してやるよ」


「…ありがとうございます」



それから愁は三日間、店に出ることになった。
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