【完】お隣さんは泥棒さん!?
「すみません、ただいま直人は他の客の相手をしておりまして…。直人を待つ間…そうですね。No.2の愁はいかがでしょう?」
「…それでもいいわ」
「かしこまりました。では席へ案内しますね」
「よろしく」
綺麗に着飾った花梨がそこにいた。
店内も"カリン"の来店に相当驚いている様子だった。
俺はその場を立ち上がり花梨の元へ行こうとした。しかし…。
「直人さん。今は他のお客様の相手をしなければいけませんよね?…ここは俺が繋ぐので」
そう言って俺の腰を下ろさせ、愁が花梨の席に着いた。
「直人。ちょっとあんたNo.1でしょ!?あたしを楽しませなさいよ」
「…悪い、何してほしい?」
隣にいる客なんて目にも入らなかった。
最後まで目が離せなかったのは、花梨と愁の姿。
…あれ?あの時と同じだ。
ふと思い出した過去の記憶。