【完】お隣さんは泥棒さん!?
「あなた、前までここのNo.1だったんでしょ?」
「はい」
「なぜ今はNo.2なの?あなたからは私と同じような香りがするのに」
「…何故でしょうね」
「でも、いい顔してるわね。もしかして久しぶりに仕事したの?」
「どうして分かるんです?カリンさんは超能力で俺の頭の中でも覗き見たんですか?」
「馬鹿ね、そんなわけないじゃない。なんとなくよ」
「さすがカリンさんですね」
カリンは何をもって同じ香りだと感じているのだろう。
まさかカリンも俺と同じくらいの経験をしたことがあるのだろうか。
…そんなわけがない。
俺の過去に勝てる奴なんているわけがないんだ。
「お待たせしました」
「ああ、ありがとう」
水色と白が綺麗に反映するカクテル。
これが俺のとっておきのカクテルだ。
客の反応もいい。
…これは俺が好きな色でもある。
「まるでこれあなたみたいね」
「え?」
「この色はあなたすべてを映したような色だと思ったのよ。いただきます」
初めてだった。
このカクテルを俺のようだと言ってくれた人は。