【完】お隣さんは泥棒さん!?

今井花梨

【今井花梨side】


VIPルームに取り残されたあたしは、何も考えることができなかった。


「直人が…好き」



あたしはいつの間にか好きになっていた。

彼のことを。



「…いなくなって初めて分かるなんて。皮肉ね」


「本当に皮肉ですよカリンさん」


「…!」



振り向くといつの間にかそこにはNo.2ホストの細川愁が立っていた。


さっきあたしの唇を奪った男。




「電話、繋がりました」


「…えっ!本当!?」


「はい。でも状況がおかしかったんです」


「状況が…?」


「早くカリンさんに会いに来てくださいとは言いましたが…。ってカリンさん!」





あたしはいてもたってもいられなくなり、その場を走り出した。



一体ドロボーに何が起きたのか、
あたしに何を隠しているのか。


早く知りたかった。
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