【完】お隣さんは泥棒さん!?
「お会計1500円になりますねー」
「はい」
修ちゃんの家の前まで着いたあたしはお金を取り出そうとした。
その時。
コンコン
タクシーの窓ガラスをノックする音が聞こえた。
ふと見るとそこには修ちゃんが優しい笑顔であたしを見つめていた。
タクシー運転手が慌てて扉を開け、ぺこりと頭を下げて走り去っていく。
「あっ、お金まだ渡してないのに…」
「心配するなカリン。そんなものは俺が払っておいたよ」
「…ありがとう修ちゃん」
「さぁ、そんなとこに立ってないで早く中においで」
修ちゃんに促されるまま豪邸に足を踏み入れる。
ここに来たのは二回目だ。
「そういえば服装が俺好みじゃないな。着替えてもらおう」
「え?」
あたしはあっという間に夜の蝶と同じ格好をさせられた。
今日はそんな気分じゃないのに。