【完】お隣さんは泥棒さん!?
血は流してなくても様子がおかしかった。


「ママ…?ねぇ、ドロボーっ!ママは、ママはどうしたの!?なんでこんなことに…」


「…あ…花梨…うっぐっ」


「教えて、なんでこんな…ひどいこと…」


「ごめ…ん。俺…げほっ…。頼り…ねぇ」





パチパチパチ。


後ろで鳴り響く、この場に不釣り合いな拍手の音。


振り向くとそれは修ちゃんの拍手だった。

…不敵な笑みも浮かべて。




「…修ちゃん!!」


「美しい。美しいよカリン君の涙は」


「…修ちゃん?」


「昔と同じで変わらない綺麗な涙だ」




ドクン


あたしの心臓が逃げろと喚いている。




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