【完】お隣さんは泥棒さん!?
中に入るといつも通りの玄関があたしを迎えた。

とりあえずほっと一息ついたあたしは靴を脱ぎ、揃えてから中に入った。



いつも一番初めに入るのは寝室だけど、何故かリビングの方が気になってリビングに足を運んだ。



暗闇のリビング。

ガチャっと扉を開けた先には…動く何かがいた。



目を凝らすとそれは人。

どう見ても人。



あたしの足は震えあがった。



「きゃあああっ!泥棒っ!」



思わず大きな声をあげる。


もしもこれがドラマなら、あたしは犯人の手によって口封じされるんだ。


…でもそれもいいかもしれない。

悲劇のヒロインって感じで。



昔読んでいた本に確かあったなぁ、こういうの。





「え?何?呼んだ?」



でも、あたしを待っていたのは意外な返事だった。


「…へ?」


「てか、女の子?なんで俺の部屋に…」



あたしは慌てて電気をつけ相手を確認する。



「「…あーっ!!さっきの!」」


あたしたちはお互いの顔を指差して同じ言葉が口から出た。


…今あたしの目の前に立っているのは、紛れもなくあたしをさっき助けてくれた彼だった。


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