【完】お隣さんは泥棒さん!?

愁はため息をついて頷いた。



「…馬鹿だ直人お前は」


「馬鹿で結構ですよ愁さん」




元No.1の先輩と元No.2に戻った瞬間だった。





それから俺は血を吐くほどのリハビリを行い、傷口も驚くほどの速さで回復していった。


医者からは驚きの声をあげられ、全治4か月だった俺の体は2週間で退院を迎えた。




退院するまでの間、俺は花梨のことだけを考えていた。


花梨を取り戻すことだけを。






大切な奴を取られ、No.1の座を奪った愁も

何度も見舞いに来てくれ俺の手伝いをしてくれた。



どれだけ悔しかっただろう。

年下でNo.2に座を奪われて。



敬語を使って話さなくてはいけなくなった愁。


俺はいい気味で嘲笑っていた。





花梨に出会わなければ、俺は一生愁を恨み続け嘲笑い続けていただろう。


花梨がいたから今こうして愁をもう一度先輩として見ることができるようになったし、弱音を吐けるようにもなった。
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