保健室の恋人。


「おい、」


ポフッと佐倉佳は私が潜った布団を叩く。



…名前、聞かれたんだっけ、?



「紗栄子…仁科紗栄子。」



バサッと布団をはがされる。
目の前にはクスリと笑う佐倉圭。


「紗栄子、ね。」

「‥何よ、」


「気の強い女はキライじゃないな。」


クィット私の顎を慣れた手つきであげる。
長い前髪から覗く瞳に私が映っている。


パシッと私は佐倉圭の手を振り払った。




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